荒廃地にどんな植物が根付くのか。「観察の森」を紹介します。
栃木県にある足尾銅山周辺の山野は、人間の経済活動によって自然が壊され、松木村に住む人々の生きる糧と暮らしが奪われてしまいました。現在は「地球温暖化」の影響により世界各地で干ばつや豪雨災害に見舞われています。
何十年と草しか生えていなかった土地に穴を掘り、木を植えることで変化する植物と生き物たち。森に寄り添ってしか生きられない私たち生物にとって、森林保護・育成は、安心して暮らせる地球環境を守る重要な活動です。
当会は自然環境を守るために足尾の荒廃地に木を植え森林の再生と育成を行う「森びとプロジェクト」と連携・共同し、2022年10月に植樹が行われた松木川沿岸の「観察の森」(名称:りんねの森)の観察・調査を行います。
5つのエリアに分けられた植樹地は①大小の石が堆積している砂地、②赤土と砂混じりの地に黒土を混ぜた土壌改良地、③赤土の土壌地、④雨水が流れ落ち、雨に運ばれた土砂が堆積した湿地、⑤大雨ごとに削られる岩や石だらけの河川敷と場所によって土壌環境が異なり、その土地の土壌の条件に適した落葉広葉樹を植えました。
木々が生長する過程で苔や下草など生態系がどのように変化して行くのか、植物遷移の様子を観察・調査。荒廃地に木々が根付くよう適度な育樹活動も行っています。
(下記の写真は2022年10月植樹後と2024年7月の生長した樹々の様子)